AI時代の発信幻想 第3章 #27
効率ばかり追いかけると、大切なものを見失う気がした
AIの話を聞くと、必ずと言っていいほど「効率化」という言葉が出てくる。
作業時間を短くする。
仕事を自動化する。
より早く、より多くのことができるようになる。
確かにその通りだと思う。
私もAIを使い始めてから、記事を書く時間は短くなった。
以前なら一つのタイトルで何時間も悩んでいた。
文章がまとまらず、途中で手が止まることも多かった。
今はAIと話しながら考えを整理できる。
迷っていた時間が短くなり、記事を書くことがずいぶん楽になった。
それは間違いなくAIのおかげだ。
でも最近、少し違うことを考えるようになった。
効率だけを追いかけていると、本当に大切なものまで急いでしまうのではないだろうか。
そんな気がするようになった。
建築やリフォームの仕事では、「早ければ良い仕事」とは限らない。
接着剤が乾く時間を待つ。
塗装が落ち着くまで待つ。
材料の状態を確認する。
急げば一日早く終わるかもしれない。
でも、その焦りが後になって不具合につながることもある。
だから現場では、「待つこと」も仕事の一つだ。
ブログを書き始めてから、その感覚を思い出した。
記事を一本書く。
公開する。
Search Consoleへ登録する。
その後はGoogleが評価するまで待つ。
すぐに結果は出ない。
以前の私は、その時間がもったいないと思っていた。
何かもっとできることはないか。
もっと早く結果を出す方法はないか。
そんなことばかり考えていた。
でも今は少し違う。
待つ時間にも意味があると思えるようになった。
記事を書いた後に散歩をする。
コーヒーを飲みながら次の記事のことをぼんやり考える。
現場であった出来事を思い返す。
そういう時間の中から、新しいテーマが生まれることがある。
もし効率だけを考えていたら、その時間は無駄に見えたかもしれない。
でも実際には、その「何もしないような時間」が、自分には必要だった。
AIは答えを早く見つけてくれる。
検索より早いこともある。
文章も数秒で作ってくれる。
便利だからこそ、私たちは急ぐことに慣れてしまう。
でも、人の気持ちはそんなに早く動かない。
昨日の出来事を今日になって理解することもある。
何日も経ってから、「あの時はこういう意味だったのか」と気付くこともある。
そういう時間は、AIでも短縮できない。
だから私は、急がない時間も大切にしたいと思う。
最近、仕事帰りの景色を少しゆっくり見るようになった。
夕焼けがきれいな日もある。
風が涼しく感じる日もある。
現場で交わした何気ない会話を思い出して笑うこともある。
以前なら気付かずに過ぎていた時間だ。
でもブログを書くようになってから、「今日の景色」として心に残るようになった。
情報発信も同じなのかもしれない。
たくさん書くことも大切だ。
AIを活用することも大切だ。
でも、それだけでは続かない。
その日に感じたこと。
少し立ち止まって考えたこと。
そういう小さな気付きがあるから、文章に温度が生まれる。
私はまだ収益化できていない。
アクセスも多くはない。
それでも、このブログを書いていて良かったと思う瞬間がある。
それは数字を見た時ではない。
「今日はこんなことを感じたな」と、自分の気持ちを言葉にできた時だ。
その時間は、とても静かだ。
でも、とても豊かだ。
AI時代は、これからもっと便利になるだろう。
効率もさらに良くなる。
それは素晴らしいことだと思う。
だから私はAIを使い続ける。
でも同時に、急がない時間も大切にしていきたい。
ゆっくり考えること。
人と話すこと。
季節を感じること。
仕事を終えた一日の終わりに、静かに今日を振り返ること。
そういう時間があるから、人は人でいられるのではないだろうか。
効率は、人生を豊かにするための手段だ。
人生そのものではない。
そのことを忘れずに、私はこれからもAIと付き合っていきたい。
そして今日もまた、一つの記事を書き終えた。
急がず、焦らず、自分のペースで。
そんな歩き方が、今の私には一番しっくりきている。
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