誰にも読まれていない気がする夜がある

AI時代の発信幻想

AI時代の発信幻想 #12
誰にも読まれていない気がする夜がある

誰にも読まれていない気がする夜がある。

記事を書き終えたあと。

SNSへ投稿したあと。

noteを公開したあと。

ふとそんな気持ちになることがある。

実際には誰かが読んでいるのかもしれない。

検索から来てくれている人がいるかもしれない。

でも数字が動かない。

反応もない。

コメントもない。

すると、自分の発信だけが誰にも届いていないような気がしてくる。

私は最近、この感覚について考えることがある。

なぜ人は「読まれているかどうか」を気にするのだろう。


ブログを始めた頃は違った。

書くだけで楽しかった。

自分の考えをまとめること。

知らなかったことを調べること。

文章を書くこと。

それ自体が面白かった。

でも気づけば変わっていた。

サーチコンソールを見る。

アクセス解析を見る。

SNSの反応を見る。

いつの間にか、書くことよりも「見られること」が気になり始めていた。


AI時代になって発信は簡単になった。

文章はAIが手伝ってくれる。

画像も作れる。

動画も作れる。

昔より圧倒的に発信しやすい。

しかし発信者が増えたことで、別の問題も生まれた。

静かなのである。

想像以上に静かだ。

大量の発信がある。

大量の情報がある。

その中で個人の発信は埋もれていく。

特に始めたばかりの頃はそうだ。


私もブログを開設してから何度も確認している。

Googleサーチコンソール。

Jetpack。

アクセス解析。

新しい記事を公開すると、どうしても見てしまう。

誰か来ているだろうか。

検索順位はどうだろうか。

インデックスされたのだろうか。

そんなことを考える。


しかし不思議なことがある。

誰にも読まれていない気がしているのに、なぜかまた記事を書いてしまう。

本当に読まれたいだけなら、反応がなければやめてしまうはずだ。

でも完全にはやめられない。

また記事を書く。

また投稿する。

また考える。


建築やリフォームの仕事をしていると分かることがある。

現場の仕事は反応が早い。

工事が終われば結果が見える。

お客様の反応もある。

感謝されることもある。

問題があればすぐ分かる。

しかし発信は違う。

反応が見えない。

評価も見えない。

未来に向かって石を投げ続けているような感覚がある。


だから孤独になる。

そして多くの人が途中で不安になる。

このまま続けて意味があるのだろうか。

誰かに届いているのだろうか。

時間を無駄にしているのではないか。

そんな考えが頭をよぎる。


最近思う。

AI時代になっても、この孤独感は消えなかった。

むしろ強くなった気さえする。

AIは文章を作れる。

画像も作れる。

情報も整理してくれる。

でも「読まれている実感」までは作ってくれない。


SNSを見ると成功者がいる。

収益化した人がいる。

フォロワーを増やした人がいる。

アクセスを伸ばした人がいる。

それを見ると、自分だけが取り残されているように感じる。

でも本当は違うのだと思う。

表に出ている人は一部だ。

その裏には、多くの発信者がいる。

迷いながら書いている人たちがいる。

反応がなくても続けている人たちがいる。


私は最近、その人たちの存在を感じるようになった。

ブログを書く人。

noteを書く人。

SNSへ投稿する人。

みんな少し似ている。

不安がある。

孤独もある。

それでも発信している。


だから最近は、「誰にも読まれていない気がする夜」があってもいいと思うようになった。

そう感じること自体が、発信者の一部なのかもしれない。

反応が欲しい。

届いてほしい。

理解されたい。

それは自然な感情だ。


そして本当に不思議なのは、その孤独感さえ記事になることだ。

昔の私は、結果が出てから書こうと思っていた。

成功してから話そうと思っていた。

でも今は違う。

迷っている今だから書けることがある。

不安な今だから残せる言葉がある。


誰にも読まれていない気がする夜がある。

それでも私は記事を書く。

なぜなのかはまだ分からない。

収益化したい気持ちもある。

誰かに読んでほしい気持ちもある。

でもそれだけではない気がしている。


もしかすると発信とは、誰かに見つけてもらうためだけのものではないのかもしれない。

迷いながら生きている自分自身を観察する行為なのかもしれない。

だから今日もまた記事を書いている。

誰かに読まれる日を待ちながら。

そして誰にも読まれていない気がする夜を抱えながら。

 

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